紫陽花の花言葉に秘められた“怖さ”とは?色や歴史に隠されたもう一つの意味

植物

紫陽花(あじさい)は、日本の梅雨時期を彩る代表的な花として、多くの人に親しまれています。しとしとと降る雨の中で、青や紫、ピンク、白などに色づく花々は、美しさとともにどこか幻想的な雰囲気を漂わせます。しかし、この紫陽花には実は“怖い”とも言われる花言葉や由来があることをご存知でしょうか。

この記事では、紫陽花にまつわる花言葉や、その背景にある文化的・歴史的な意味、さらにはなぜ「怖い」とも言われるのかについて、詳しくご紹介します。

紫陽花の基本的な花言葉




まずは、一般的によく知られている紫陽花の花言葉を紹介しましょう。紫陽花には複数の花言葉があり、その意味は色や品種、または贈る国や時代によっても異なります。

主な花言葉には、以下のようなものがあります。

– 移り気
– 浮気
– 無常
– 冷淡
– 辛抱強さ
– 家族団らん
– 元気な女性
– 高慢

紫陽花の花言葉がこれほど多い理由のひとつは、花の色が変化することにあります。咲き始めは青みがかった色だった花が、徐々に紫や赤みを帯びていくこの性質が、「移ろいやすい心」や「浮気」といった花言葉の由来となっているのです。

一方で、「家族団らん」や「辛抱強さ」といった前向きな意味もあります。これは、多くの花が密集して咲く様子から、家族のつながりや忍耐強さを連想させることに由来しています。

怖いとされる花言葉の背景

紫陽花の花言葉のなかでも、「移り気」や「冷淡」などは、受け取り方によってはネガティブで“怖い”と感じるものかもしれません。特に恋愛関係において、こうした花言葉は不吉なものとされ、贈り物としては避けられることもあります。

なぜ「移り気」や「浮気」とされるのか

前述したように、紫陽花は土壌の性質によって色が変わる植物です。酸性の土では青くなり、アルカリ性に近づくにつれて赤みが増していきます。そのため、花の色が長期間にわたって一定でないという特徴があります。

この「色が変わる」という現象が、「心変わり」や「移ろいやすさ」にたとえられ、人の気持ちや愛情の移り変わりと重ねられた結果、「移り気」「浮気」というやや否定的な花言葉がついたとされています。

「無常」や「冷淡」といった不安定さの象徴

さらに、紫陽花は咲き始めから枯れるまでが比較的早く、その一瞬の美しさが「無常感」を象徴するとも言われています。これは仏教的な思想とも関係が深く、人生や愛情の儚さ、変化の激しさを感じさせることから、「怖い」と感じられる要因にもなっています。

特に「冷淡」という花言葉には、見た目の涼しげな印象や、雨に打たれながらも無言で咲く花の姿が、人間の感情を拒絶しているようにも見え、「感情が伝わらない怖さ」を想起させるかもしれません。

紫陽花が“不吉”とされた時代背景

日本において、紫陽花が不吉な花とされるようになった背景には、武家社会の価値観や仏教的な死生観が関係しています。

武士社会における嫌忌

たとえば、江戸時代の武士たちの間では、「変化」や「不安定」は縁起が悪いものとされていました。特に、家系の安定や忠義を重んじる武士社会において、移り変わりの激しい紫陽花は「不忠」「裏切り」「変節」などの象徴とされ、庭に植えることを忌避されることもあったのです。

また、「七変化」という別名も、縁起が悪いと捉えられることがありました。七度も変わるというのは、裏を返せば「一貫性がない」「信用できない」といった印象につながり、結婚式や祝いの場にはふさわしくないと考えられたのです。

葬送の花としての位置づけ

一部地域では、紫陽花が墓地やお盆の時期に使われる花として扱われることもありました。しとしとと降る雨の中、静かに咲く紫陽花の姿が、どこか寂しげで、死者の魂を慰めるかのように見えたこともあるのでしょう。そのような背景も、紫陽花が“怖い花”と連想される一因になっているのかもしれません。

色別に見る紫陽花の花言葉と印象

紫陽花の花言葉は、色によっても意味が異なります。特に怖い・不吉と感じられるものがいくつか存在します。

青の紫陽花「冷淡」「無情」「辛抱強い」

青い紫陽花は最もよく見られる色であり、涼しげで落ち着いた印象を持ちます。一方で、その冷たさゆえに「冷淡」や「無情」といった花言葉が与えられています。

恋愛において、青い紫陽花は「気持ちが離れてしまった」「感情が通じない」という象徴にもなり、告白や贈り物には注意が必要です。

紫の紫陽花「神秘」「知性」「変わりやすい愛」

紫という色は、古来より高貴で神秘的な色とされてきましたが、一方で「不安定な愛情」や「心の揺れ動き」とも結びつけられています。特に恋愛関係では「気持ちがはっきりしない」「距離がある」といった印象を与える場合もあり、良くも悪くも“読めない感情”が怖いと感じられることがあります。

ピンクの紫陽花「元気な女性」「強い愛情」

ピンクの紫陽花は比較的ポジティブな意味を持ちますが、それでもその“強さ”が行き過ぎると、「執着」「過干渉」とも取られることがあります。愛情の表現が強すぎるときには、相手に重たく感じられるかもしれません。

紫陽花の魅力と恐怖は表裏一体

紫陽花の花言葉には確かにネガティブなものや、“怖い”とされる意味合いも多く含まれています。しかし、その一方で、変化に富んだ花の色彩や、雨の中でも凛と咲く姿は、多くの人々に癒しや美しさを感じさせます。

人の心もまた、季節や出来事によって揺れ動くものです。紫陽花の花言葉が示す「移ろい」や「無常」は、決して悪いことばかりではなく、人生そのものの儚さや美しさを象徴しているとも言えるでしょう。

終わりに 紫陽花は心を映す鏡のような花

紫陽花は、まるで人の心を映す鏡のような存在です。美しさと共に、どこか不安定で神秘的な面を持ち、そのことが「怖さ」として語られることもあります。

しかし、その“怖さ”の裏には、深い人間的な感情や歴史が刻まれていることを理解すれば、紫陽花はより魅力的な存在に映るかもしれません。

雨の中で静かに咲く紫陽花に、あなたはどんな思いを重ねるでしょうか? 一度その花言葉と向き合ってみると、これまでとは違う紫陽花の表情が見えてくるかもしれません。



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